間違えるということは、若さゆえの特権である。だからこそ、僕も彼女も間違え、この物語は、僕しか知らないのだろう
彼苑度流はどこにでもいる高校生……ではなく、人と目に見えるものが違うことを生かした美術部の少年だ。
コンクールで最優秀賞を獲り、その作品が展示会から盗まれる。そこから度流の運命が廻り始める。
行方不明になる恋人の荒崎優音。狙われる度流の命。そして人々の記憶から「優音」の存在が消えていく。その恐怖に呑まれそうな度流が後輩のくららと共に見つけた「ある思想」が鍵となり、全ての謎を解き明かしていく。
ずっと、探していた。あなたと永遠になる方法を。
これは心の傷を深くする、誰かの嘘の物語。
その――は、あなたの中にもいる。