A-AWsベーシック 行為判定

 

 

   行為判定とは
   行為判定の手順
   共闘判定
   特殊な成功要素
   成功要素の追加登録
   協力判定
   万能成功要素の却下

 

 

行為判定とは   

 

 ゲーム中に、ユニットの行動がうまくいったのかどうか判別するためのルールが行為判定である。
 行為判定に成功すればその行動は成功したことを意味し、失敗すればうまく行かなかった事を意味する。ファンブルと呼ばれる大失敗をすると、悪い事が起きる事さえある。
 なお、以降の文中で“判定する”、“判定を行なう”とあった場合、行為判定を行なうという意味である。行為判定は、GMがユニットの行動に行為判定が必要だ、と考えた場合に初めて行なうことができる。

 

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行為判定の手順   

 

 判定することが決まった場合、下の「流れ」の項目の通りに行なわれる。ここでは、判定中に使用される各用語と行為判定の方法を解説する。

 

0.流れ

 

1.行動決定
2.GMによる目標値と抽出条件の選定
3.成功要素の宣言
4.成功要素の判定と達成値の算出
5.達成値の評価/成否の判定

 

1.行動決定

 そのユニットが何をするのかを決定する工程である。
 GMがシチュエーションに合わせてユニットに要求する場合(行動要求)と、プレイヤーがシチュエーションに合わせてGMに宣言する場合(行動宣言)がある。
 プレイヤーは行動要求を拒否し、改めて行動宣言することも出来る。

 

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2.GMによる目標値と抽出条件の選定

 行動要求の場合はプレイヤーが、行動宣言の場合はGMが、それぞれ了承した場合にこの工程に移る。
 GMが以下の表を参考にしつつ目標値を決定する。目標値とは、その判定の難しさを示す数字で、この数字が大きいほど、その行為を成功することが難しいことを意味する。

 

目標値と行為のイメージ表(Lv10のPC目安)

目標値 行為のイメージ
0~4 当然できる行為(判定不要としても良い)
5~8 簡単な行為
9~11 できるのが普通の行為
12~15 難しい行為
16~ 至難な行為
不可能な行為

 

 次に抽出条件を決める。抽出条件とはその判定に使える成功要素の条件の事だ。基本的には大雑把に「○○(行おうとしている)に使える事」とすれば良い。なんらかの理由でGMが必要だと判断した時、それ以外の細かい条件を付けても良い。

 

※目標値を言わないケース

 目標が天井知らずな場合か、目標が事前に明らかでない場合、目標値を言わずに判定を行わせても良い。
 ただし、目標値が∞である場合にはこのルールは使用できない。

 

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3.成功要素の宣言

 プレイヤーがGMの言う目標値を達成出来るように、抽出条件に則った成功要素を宣言する。
 成功要素とはそのユニットの持つ「出来ること」を言葉にしたものであり、その状況に合わせて使用できる。
 この時、後述する「一時成功要素」「共有成功要素」「成功要素の追加登録」「協力判定」を利用することができる。

 

成功要素宣言の例(「」が成功要素)
プレイヤー「じゃあ、「プラスチック爆弾」で爆破しよう。「構造解析」で壁の構造を把握して、「爆破のプロフェッショナル」だから、確実に壊せる位置を割り出せるよ」

 

※前提条件の変換

 行動要求にしろ行動宣言にしろ、成功要素を宣言する段階で、「違う手段を取れるのでは?」と気付ける時があるだろう。そして手段によっては今より簡単になることもあるはずだ。こういう場合、プレイヤーは「前提条件の変換」を求めることが出来る。GMはこれを妥当だと判断した場合には、2の工程に戻り、目標値と抽出条件を改めても良い。

 

前提条件の変換の例
プレイヤー「ねぇ、GM。よく考えたら壁を破壊しなくても、壁に穴さえ開ければいいんじゃない?」
GM「確かにそうだね。壁自体を破壊するより穴を開ける方が簡単だ。前提条件の変換を行うことが出来るよ」

 

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4.成功要素の判定と達成値の算出

 プレイヤーが宣言した成功要素のうち、GMが状況に即していないと思われるものを宣言する。これにより除外されなかった成功要素のことを「承認成功要素」と言い、承認されることを「通った」「通す」などと言う。
 後述する「反成功要素」もこの時、GMにより考慮される。
 承認成功要素の数だけサイコロを振り、その合計を「達成値」と呼ぶ。この達成値が目標値以上であれば成功となる。

 

成功要素の判定の例(「」が成功要素)
プレイヤー「「ドリル」で穴を開けるよ。「壁を叩いて強度を調べる」で、穴を開けやすい場所を探ろう。「軟化剤」でコンクリートを柔らかくするよ」
GM「「ドリル」と「軟化剤」は認めよう。けど、「壁を叩いて……」は無理でしょ、コンクリートの壁だよこれ」

 

※成功要素の固定値変換

 承認成功要素をサイコロを振る代わりに「2」の値に固定する事ができる。後述するが、サイコロを振る場合にはリスクもあるため、固定値変換のみで成功出来る場合には可能な限り固定値変換を使うべきである。GMは固定値変換を使わずに判定しようとする初心者プレイヤーにはサイコロを振るリスクを再度説明するのが望ましい。

 

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5.達成値の評価/成否の判定

 最終的な達成値を確認し、目標値と比較する。
 達成値 ≧ 目標値
 となれば、判定は成功、それ以外なら失敗となる。

 

※ファンブルについて

 サイコロを振った場合、一つでも「1」が出れば、ファンブル(大失敗)となる。ファンブルとなると、単なる失敗より大きな失敗となる。GMは適した演出を考えること。特に思いつかなければ、後述する反成功要素を利用すると良い。
 ただし、固定値変換によりそもそもファンブルの危険なく判定をクリアできることこそがこのシステムの肝である。

 

※中間判定について

 GMが望むなら、中間判定の余地を残しても良い。中間判定とは「成功こそしなかったが、失敗というにはそれなりの成果はある」状態を指す。中間判定を認める場合、目標値の宣言時に併せて宣言する事。
 GMが設定した「中間値」より上であれば中間判定が成立した事になり、失敗ではなく、中間判定、という結果になる。中間値は特に断りがなければ、目標値の半分だが、必要であれば変更しても良い。また、段階的に中間値を設定し、複数の中間判定を設けても良い。

 

  失敗→「不味い料理」
  中間判定1→「まぁまぁな料理」
  中間判定2→「普通の料理」
  中間判定3→「美味しい料理」
  成功→「一流の料理」

 

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共闘判定  

 

 なんらかの事態にその場にいる全員で当たらねばならない時、共闘判定を行います。
 共闘判定は共闘難易度と呼ばれる難易度を持ち、これをその場にいる全員で達成する事になります。
 基本的な判定の順番や方法は通常の判定と同じですが、以下の点が異なります。
  ・一人ずつ成功要素を宣言する。宣言完了後他の人の宣言中に改めて宣言することはできない
  ・参加する全てのユニットが最低一つは成功要素を提示しなければならない。
  ・一時成功要素は各ユニット毎に一つまでしか使用できない。
  ・成功要素の判定は全員の宣言後に行われる。

 

共闘判定の例(「」が成功要素)

 GM「さて、目の前の壁が突然倒れてくる! この事態を逃れるには皆で協力するしかありません。共闘判定です。共闘難易度は10!」
(相談後)
 プレイヤーA「まずは「怪力」で落ちてくる壁を支えよう。「メンバーで一番長身」だから、力の続く限りは誰も潰れずに済む」
 プレイヤーD「私は自分の「槍」を使って、壁に対するつっかえにします。槍は「自分で支え」ます」
 プレイヤーB「私はAとDに最大限の「筋力強化の魔術」を使って、Aを支援します」
 プレイヤーC「3人がそうして時間を稼いでる間に「中時間詠唱」で詠唱した「爆破魔術」で壁を粉砕します」
 GM「全て通しで、7つ。達成値は14ですから、見事成功です」

 

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特殊な成功要素  

 

一時成功要素
反成功要素
共有成功要素

 いくつか特殊な成功要素がある。判定を成功させるにはこれを使いこなす必要がある。またGMもそのうち一部を駆使してシナリオを盛り上げ、あるいは緊張感を与える事が出来る。

 

 

一時成功要素

 プレイヤーは判定の際、成功要素を一時的に二つまで宣言出来る。この成功要素はその判定中のみ使用できる。これを「一時成功要素」と呼ぶ。
 状況から自身の成功要素を補強するものや、GMが設定していない環境を勝手に設定するもの、などがある。

 

「」が成功要素。

下線が引かれたものが通常の成功要素、太字が一時成功要素である。

状況から考える一時成功要素の例

こちらは「槍」を使って攻撃、「こちらが上を取っている」上に「槍は剣より射程が長い」のでこちらが有利。

設定していない環境を設定する一時成功要素の例

「スプリンター」なので、走って相手を追いかけます。「スパイク」を履いてるので走りは好調。「直線の道なので逃げ場はなく」「追い風も吹いてます」

 

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反成功要素

 なんらかの理由で反成功要素を所持している場合、注意が必要だ。
 反成功要素とは、成功要素の反対、言うなれば失敗の要因となるものだ。
 例えば足を骨折したユニットは「足を骨折」という反成功要素を持つし、バッテリーが残り少なくなって機能が低下しているロボットには「バッテリーが少ない」を持つ。
 「成功要素の判定」の工程の時、その状況に適した反成功要素を所持している場合は、その数だけ、承認成功要素を減らす。
 GMはシナリオの展開に合わせてプレイヤーに反成功要素を付与することが出来る。ただし、これを乱用するとプレイヤーはマイナスに喘ぐ事になる。個人に付与する反成功要素は一つか、多くて二つに留めることを推奨する。
 ただし、ファンブルした場合のペナルティとして反成功要素を付与する事は認める。
 GMは目標値と抽出条件の宣言時に併せて、この状況に適応される反成功要素を確認して宣言すると丁寧である。

 

「」は成功要素
反成功要素により承認成功要素が減らされる例
「スプリンター」なので、走って相手を追いかけます。「スパイク」を履いてるので走りは好調。「直線の道なので逃げ場はなく」「追い風も吹いてます」
→GM「全部通すけど、相手は男なので反成功要素「男性恐怖症」が適応されて、承認成功要素は3つだね」
反成功要素が付与される例
上記と同じ判定だが、ファンブルした場合
→GM「君は走りがけに転んで大怪我を負ってしまった。反成功要素「足を骨折」を付与するよ」

 

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共有成功要素

 その場にいる全員、あるいはある条件下にある全員が所持しているとみなされる成功要素、それが共有成功要素である。
 この共有成功要素はシナリオの進行で自動的に得るのではなく、潜入する基地の全容を先に把握しておく、次の行動に向けて根回しをしておく、と言ったプレイヤーの努力や工夫に対して与えられるべきである。
 共有成功要素は成功要素と同じように判定に使用できる。
 また、共有成功要素には反成功要素が与えられる時もある。ただし、これは回避が可能なようにするか、解除が可能なようにすることが望ましい。
 共有成功要素として反成功要素が二つ以上付与する事は推奨されない。

 

「」は成功要素

プレイヤーの頑張りによる共有成功要素付与の例

GM「お見事。君達は「警備状況とカメラの位置を把握」した。共有成功要素として付与しよう」

プレイヤーの発想による条件付き共有成功要素の例

プレイヤー「狭い岩場に隠れます。ドラゴンは巨体のため入り込めないはずです」
GM「いいだろう。その岩場に隠れたユニットには「ドラゴンの入り込めない場所」を共有成功要素として付与しよう」

・反成功要素の例。ペナルティの理由があり、回避方法がある

GM「作戦が長引いたため、とうとう雨雲が作戦展開地域に到達した。反成功要素「強い毒性の雨」が君達を蝕む。雨をしのげる場所であればこれは適応されない」

 

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成功要素の追加登録  

 

 成功要素が未登録の原成功要素がある場合(原成功要素レベルより成功要素の数が少ない場合)、判定に際してその原成功要素に成功要素を登録することが出来る。
 ただし、これは一つの判定に一度までしか使用できない。

 

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協力判定   

 

 他のユニットが判定中、自身がそのユニットの行為を手伝える成功要素を持っている場合、それを宣言することが出来る。

 

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万能成功要素の却下   

 

 判定中、その成功要素を通してしまうと、その成功要素が万能になってしまう(GMの想像するほぼ全てのシチュエーションに適応出来てしまう)宣言が為された場合、それを理由に却下して良い。この時、その成功要素が既に一度以上使われているなら、その成功要素はその時の状況に即した成功要素である、と裁定する事。可能であればその状況にのみ即した成功要素に改名しても良い。これはGM、プレイヤーのどちらから提案しても良い。また、プレイヤーが却下に抵抗する場合、GMはその成功要素をキャラクターシートから除外したものと扱って良い。
 またGMは可能であればキャラメイク後、メインプレイ前に万能成功要素になりかねない成功要素については確認を取ることが望ましい。

 

「」は成功要素
万能成功要素の却下
プレイヤー「「その剣の軌道もバッチリ見切って」「カウンターする」よ。なんたって「天才」だからね」
GM「待って、君はさっき研究所で「天才」だから、薬をすぐに作れるって言ったよね? 戦闘にも使えるの?」
プレイヤー「当然、「天才」だからね」
GM「だとしたら、それは万能成功要素だね。最初に使った研究関連だけに使えることにしてもらえる?」
プレイヤー「マジか。なら、単なる「天才科学者」じゃん」
GM「じゃあ、「天才」から「天才科学者」に改称してね」
プレイヤー「了解」

 

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